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引用元:weheartit.com

会社(法人)設立の手続き

会社・法人としていよいよ起業しようと思ったら、いよいよ実際の設立手続きとなります。会社を立ち上げようと思ったものの、何から始めればいいのか、設立費用はいくらくらいか?日数(スケジュール)がどのくらいかかるのか?司法書士などに頼むべきなのか?会社名(商号)はどうやって決めるか?など設立するために必要な知識をまとめました。
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世間ではスタートアップという用語が飛び交い、多くのスタートアップ色々な形で出資を受けて華々しく起業した会社が大きくなっていくのを見ていて、「自分でもできるんじゃないか?」「自分で法人を持ちたい!」なんて思う人も多いのではないでしょうか?

実際、法人を設立しようと思ったら、何をどうすれば良いのか分からないですよね。
会社の名前は?資本金は?設立費用はいくらかかるの?定款って何?などなど疑問点はたくさんありますよね。ネットで調べると、「格安!」「0円!」で法人設立します!みたいなサイトが多く出てきますが、実際にどこにいくらかかるのか、どのくらいの日数が必要なのか、注意点は?なども一緒にまとめています。

設立までの全体の流れを捉える

申請書、認証など対応すべきことが多いと全体像が分からなくなりうまく頭に入ってこないものです。全体像をまず理解しておくことで挫折しないように実行していきましょう。

会社設立の手続きは大きく分けると下の6つの手続きだけになります。

  1. 会社設立準備(設立項目の決定、印鑑の用意)
  2. 定款の作成、認証(定款を作成、認証の手続き)
  3. 設立登記の書類作成(資本金の払込、各申請書作成)
  4. 会社設立登記(設立登記の申請、登記簿謄本の取得)
  5. 開業の届出、口座開設(税務署に開業届、銀行口座の開設)
  6. 設立完了

このようにポイント(要素)だけ抜き出すと何となく設立完了までイメージできるのではないでしょうか?次に、法人設立までに必要なもの、準備しておくべきものを分かりやすくまとめます。

会社を設立する時に準備・用意しておくべきもの

上記の内容で何となく全体像がイメージできたと思います。ここから細かく必要なもの、準備しておくべきものを見て、用意していきましょう。

会社名(法人名)を決める

起業を決めたものの、最初に悩まれる方が多いのが社名(商号)の決め方です。最初から社名を後で変更することを考えている人も少ないと思いますので、とても重要な決定事項ですよね。創業だからこそつけられる項目ですので、妥協せずに決めましょう。

法人名(商号)はある程度自由な範囲もありますが、ルールもありますので、ルールを知った上で悩んでみましょう。

社名として使用できる文字や符号

会社名(商号)として使用可能な文字や符号は限りがあります。

文字を使う場合
・漢字
・ひらがな
・カタカナ
・ローマ字(大文字・小文字)
・アラビア数字(0, 1, 2, 3, 4, 5……)

符号を使う場合:
・ &(アンパサンド)
・ ‘(アポストロフィ)
・ ,(コンマ)
・ -(ハイフン)
・ .(ピリオド)
・ ・(中点)
※符号を使用する場合は、字句を区切るために使用する場合に限り使用可能です。社名の先頭や末尾に使用することは原則不可となっています。
※「☆」や「♪」などの特殊な文字(記号)は認められていませんので注意してください。

会社名の前後どちらかに”株式会社”を入れる

株式会社を設立する場合、会社名の前後に”株式会社”と入れなければなりません。株式会社ではなく、合同会社の場合も同じく”合同会社”と前後に入れるようにしてください。前株、後株という言葉を聞いたことがある方が大半かと思いますが、それのことです。
社名と合わせて”株式会社”を前か後に入れた時の響きなどを確認して、前株か後株どちらにするか決めましょう。
会社名(商号)にしたいビジョンや覚えやすさ、発音のしやすさなどを重視して決めればきっと後悔しない社名になるかと思います。

他社と同じ名前を付けたい

同じ市区町村に同じ事業目的で同じ(もしくはよく似た社名)での法人設立は不可能でしたが、現在は商業登記上、類似商号の調査が不要になったことで、同じ会社名でも設立が可能になりました。

ですが、同じ事業目的で商号も同じ場合、先に運営している会社から不正競争防止法を理由に差し止めや損害賠償を請求されるリスクがありますので、同じ商号(似た商号)は使わないのが良いと思います。

ドメインの取得ができるか

会社を設立する場合、設立後ほぼ大半の会社が自社のサイトを持つことになります。その時、会社名に合わせてドメイン(アドレス)を取得すると思います。

会社名の由来や響きなどはしっかり考えて覚えやすい商号で決めたけど「サイトのドメイン・アドレスのドメインで会社名と合わせたものを使いたいのに無い」なんてことが無いように、商号が決まったら登記前にドメインの空き状況はチェックしておくようにしましょう。

会社名(商号)が決められない

ここまで会社名のルールについて書きましたが、それでも会社名を決められないという方もいらっしゃると思います。会社名は後からでも変更可能です。

しっかりと考えることは大切です。ですが、後から変えられないわけでないという気楽さも時に大切だと思いますので、どうしても決められないという場合は知人や尊敬する上司などに決めてもらっても良いかもしれません。

事業目的(事業内容)を決める

株式会社を設立する時、その会社の基本原則を「定款」という形で書き記しておくことになります。定款の作成、認証は設立時に必須となります。その定款内に会社の「事業目的」を書いておく必要があります。
事業目的とは、その法人はどのように儲ける会社なのか?ということです。

様々な法人形態があるというまとめで説明しましたが、株式会社は株主がいて初めて会社として成立するものです。その株主が安心して出資できるように、この会社が何をやって儲けていくのかを書き記しておく必要があるということです。
そのため、定款に記載されていない事業を行うことはできません。事業目的に合わせたビジネスを行い、そこから事業が変化した場合は、定款を修正や追記していきましょう。

急に「定款」「事業目的」と急に言われても、まだイメージしづらいですよね。司法書士に頼んで定款などを作成される方は司法書士の先生に相談してみるのが早いです。その前に知っておきたいという方はこちらのサイトの下の方の事業目的選択部分で入力してみると定款に記載する事業目的がわかりやすいかと思います。

会社の場所(本店所在地)を決める

会社名と事業目的が決まったら、次は会社の場所をどこにするのか決めましょう。
設立時の定款に本店所在地も記載する必要あります。自宅、賃貸オフィスを記載することも可能です。まったく別の場所にしたいけど、そこまで費用もかけたく無い場合は「レンタルオフィス」を使ってしまうのも一つの手です。
自宅とは別にしっかりと賃貸でオフィスは借りたいという方はこちらのサイトのようなやり方で物件を探すのも手です。

会社の本店として登記する物件について、注意すべきことがあります。
自宅を本店とする場合、その物件が賃貸だと「法人不可」などの規約が契約書に盛り込まれている可能性があります。黙って法人を登記している人も多いみたいですが、ポストなどへの掲示ができなかったり、後でバレて退去させられたりと不便が多い為、最初の段階でしっかり確認して進めてください。
自宅の場合のみではなく、新規で賃貸契約される際も「SOHO可」「法人可」の物件で契約するようにしてください。

資本金を決める

「1円からはじめる株式会社」という言葉が一時期かなり広まりましたが、株式会社というのは1円以上の資本金を設定すれば登記自体は可能です。
実際の会社運営を考えると、自宅起業などで100~300万円は最低でも必要になってきてしまうとは思います。オフィスを賃貸したり、パソコン・オフィス機器・その他必要経費を考えるともう少し資本金として用意しておいた方が運営しやすくはなります。

資本金を決める際の注意点が2つあります。
①資本金はなるべく1,000万円を超えないようにしましょう。
会社設立の初年度、通常消費税が免除されます。ですが、資本金1,000万円を超えているとこの特例が受けられなくなってしまいます。初年度の消費税というのは後々の運営にかなり響いてくるものですので、特段決まっていない場合は1,000万円を超えないようにしておきましょう。

②創業融資は自己資金の2倍までの制限がある。
起業当初の資金調達方法は非常に重要です。資金調達が必要ないという方以外はしっかりと認識しておいた方が良い内容です。政府金融機関から創業融資を利用される場合、資本金(自己資金)の2倍までが融資の限界となります。①で1,000万円までとお伝えしましたが、低すぎれば低すぎるほど融資に影響が出てきます。

①②を意識しながら、実際に運営でかかる金額を算出して資本金額を決めていきましょう。

株主、出資者を集める(資本金を集める)

資本金額を決める際に重要になってくるのが、どのように資本金を集めるのか?です。少なくとも数百万という金額を集める方法はいろいろあります。
資本金をどのように集めたかで、その後の設立の流れに影響がありますのでその点を見ていきましょう。

発起設立

発起設立とは、これまで貯めていたお金などを創業者で出し合って資本金にする設立の仕方です。株式会社を発起設立した場合、株式会社設立時に発行する株式を出資比率に応じて分けることになります。株式会社の場合はこの”出資比率”で利益分配などが決まってきますので、この比率が一番重要になってきます。
合同会社の場合、出資比率に関係なく利益分配比率は自由に設定することができます。この部分は後々創業メンバー同士などで揉めたりするケースが多いため、しっかり話し合って資本金を集めるようにしましょう。

募集設立

発起設立の場合とは異なり、創業メンバーなど身内以外の投資家などに出資をお願いする方法です。本来株式会社というのは、株主と経営者(運営者)を分けて運営できるようにというものでしたので株式会社設立におけるメリットでもあります。
出資者(投資家)という他人から出資を受けて会社を設立する場合、創業者(発起人)と出資者が異なりますので、出資比率に応じて会社設立時に発行する株の一部を創業者(発起人)が持ち、残りの株式を出資者が持ちます。発起設立と比べると手続きが複雑になります。

役職、機関設計を決める

機関設計とは、それぞれの発起人がどの役職(代表取締役、取締役、監査役など)に就くのかを決めることです。

株式会社の機関設計

株式会社での機関設計で重要な部分は、「取締役会」を設置するかしないかという部分です。どちらが良いのかを判断できるようにするためにそれぞれのメリットを知っておく必要があります。
取締役会が設置されている場合、取締役会で法定事項のほか定款に定めたことであれば決議が可能です。そのため、メリットとしては経営判断の迅速化です。
取締役会を置いてなく、株主が複数いる場合は株主総会で決議が必要となります。出資者が全員近くにいるとは限りませんし、複数人を同じ日、同じ場所に集めるというのはなかなか大変ですので、理解しておきましょう。
逆を返せば、取締役会を設置していない会社で出資者が創業者本人のみという場合や、創業メンバーのみで出資している場合であれば、出資者のみで株主総会を開き決議を取ることが可能です。

合同会社の機関設計

合同会社の場合、機関設計は株式会社と異なります。以下の3つの分類になることを理解しておきましょう。

  • 代表社員
  • 業務執行社員
  • 社員

資本金を出資する人のことを合同会社の場合、社員と言います。出資をした社員は、業務執行社員&代表社員という扱いになります。出資者が複数人いた場合、「代表社員」というのが複数人ということになり、代表者がわかりづらくなってしまうため、1名を代表社員に定めることが多いです。また、合同会社では意思決定を業務執行社員で決定していきます。この業務執行社員も指名して意思決定のスピードが落ちないように考えていく必要があります。

事業年度の設定

個人事業主の場合には、1月1日から12月31日までを事業年度として、3月15日までに所得税の確定申告が必須となります。ですが、法人の事業年度は自由に定めることが可能です。
そのため、多くの国内法人では4月を期首として、3月を期末として定めています。じゃあいつでもいいのでは?となってはいけません。次の点をしっかり考えて事業年度を設定するようにしましょう!

  1. 設立1期目の事業日数を十分に確保する
    設立2期で消費税免税事業者になるというメリットがあるため、1年間で収入金額が1,000万円を超えると見込める場合には、このメリットを活かすように事業年度を設定し確保しましょう。
  2. 繁忙期を考えて設定する
    起業される事業にもよりますが、繁忙期前や繁忙期中に期末が来るような事業年度の設定はしないようにしましょう。決算資料や決算書の作成は税理士に任せるとしても労力がかかるものです。繁忙期後に決算(期末)がくるように設定することで解決します。
  3. 年度売上のベースがわかる月を期首に
    設立直後のの場合、経費の中で役員報酬が大きな割合を占めることはよくあることです。役員報酬というのは期首から3ヶ月間しか変更することができません。この部分の調整をできるように「年度売上のベースがわかる月を期首に」するようにしましょう。期首段階で売上が好調であれば、役員報酬を増額できますし、不調であれば減額することができ、調整できるようにしておくことが重要です。

会社の印鑑を作る

法人設立時の手続き中で必要になりますが、会社の印鑑を用意しましょう。会社の印鑑と言ってもいくつか種類があります。それぞれの役割を知っておきましょう。

  • 実印(代表者印、会社実印、法人実印、丸印)

    実印は、会社を設立する時に必要となる印鑑です。実印は、代表者印・会社実印・法人実印・丸印などとも言います。この実印は本当に大切な印鑑となります。法務局で会社設立の手続きをする時に印鑑も登録します。
    実印が押されている書類は、会社の正式な意思決定に基づいて押印されたものとして扱われます。18mmの丸印が用いられることが多いですが、実はこの形状が法律などで定められているものではありません。

  • 銀行印(銀行届出印、金融機関届出印)

    銀行印は、個人の銀行印と役割は同じです。銀行口座を開設する時に、銀行に届け出る印鑑を指します。銀行印は、銀行届出印・金融機関届出印などとも言います。

    銀行印と通帳があれば、金融機関で預金の引き出しができてしまいます。また、会社の実印を銀行印として届出することもできますが、会社の実印と別に銀行印を作るのが一般的です。実印の効力が大きいため、リスク分散のため、銀行口座には銀行印を使用するようにしましょう。

  • 角印(社印)

    角印(社印)は、会社を運営していくにあたって日常的に使う印鑑です。見積書・請求書・領収書などを発行する際、実印の効力が求められていない書類などで押印して使います。

    実印や角印に決まった形式はありません。ただ、一般的に正方形の四角い形状の印鑑を指します。「株式会社○○」というのが記載されており、会社の「認印」と一般的には言われています。

会社設立時には上記の3つの印鑑は用意しておいてください。印鑑を作成する場合、ネットでの購入がオススメです。(速く安いため)
その中でもハンコヤドットコムが起業時に多く利用されていますので、一度金額感を見ておきましょう。

印鑑証明を用意する

法人を設立する際、個人の実印とその印鑑証明が必要になります。創業者(発起人)であれば用意しておくようにしましょう。
実印をまだ持っていない方は、ハンコヤドットコムで実印も購入し、市役所や区役所に印鑑登録、証明書を発行しておきましょう。

印鑑証明は2通もらっておくようにしてください。定款の認証を受ける時と、設立登記申請時に必要となります。基本的には3ヶ月以内に取得した印鑑証明を用意しておくようにしてください。

設立費用について

会社設立をしようとすると、資本金以外に設立費用がかかります。

設立費用(株式会社)

  • 定款にはる収入印紙代:40,000円(電子定款の場合は不要)
  • 定款の認証手数料:50,000円
  • 定款の謄本手数料:2,000円程
  • 登録免許税:150,000円(最低)

上記を合計すると、242,000円です。このくらいの費用感は理解しておきましょう。

設立費用(合同会社)

  • 定款にはる収入印紙代:40,000円(電子定款の場合は不要)
  • 定款の認証手数料:不要
  • 定款の謄本手数料:2,000円程
  • 登録免許税:60,000円(最低)

上記を合計すると、102,000円です。株式会社と異なり、認証手数料が不要なこと免許税が安いことで合同会社の方が費用は安く設立できます。

行政書士や司法書士に依頼する場合

上記の費用感はご自身で書類を用意、記入などを行い、申請した場合の金額です。それらを自分でやると未経験ですので大変なのは言うまでもないですね。(できないことではないです)
その分の時間を実業に当てて、行政書士や司法書士に任せるという方法も多く取られております。その場合は上記の金額にプラスして手数料がかかってきます。その金額感は10~15万円が一般的です。

まとめ

法人設立までの大まかな流れ、設立時に実際必要なものをまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?資本金や設立費用などお金の部分だけでなく、印鑑証明など用意するもの、決めておかなければならないことが色々あります。
思っていたより面倒だったとよく言われる会社設立の手続きですが、新しい一歩である自分の会社のために楽しみながら手続きできることを願っています。